中井智弥・中島裕康 箏コンサート ~倭姫の夢~

日時 2024年4月28日(日) 午後2:00開演
会場 いつきのみや歴史体験館

***************************************

 諸田賢順。定かではありませんが、1534年から1623年の生涯であったと伝えられていますので、戦国時代から江戸前期にかけて活躍した僧侶とされています。

 また九州に渡来した鄭家定から、琴瑟箏(きん・しつ・そう)を学び、雅楽、寺院歌謡などを習得し、筑紫箏の祖といわれ、現代箏曲の基礎を築いた人であります。

 一方、賢順20代後半から大友宗麟とも接点があり、教会音楽にも造詣が深いことが、伝えられていますが、いわゆるキリシタンに関わることから、現在では解明不可能となりました。

 このような賢順を顕彰して、毎年箏曲コンクールが久留米市で開催されています。

 中島裕康は、プロフィールにもありますが、第20回コンクールでこのタイトルを受賞しています。名実ともに、国内、世界的にもトップクラスに位置づけられる箏曲家として活躍しております。

 この中島裕康がその背中を追い続けているのが、中井智弥であります。

 井筒、上花也(いづつ、じょうかなり)。中井が尊敬する世阿弥がこう言って、自賛する作品が、夢幻能 井筒であります。「中井智弥、上花なり」といいたいところですが。

 中井智弥の作品には、世阿弥にインスパイアされた、能楽のシリーズを多く制作しております。作品の中には、井筒、葵上、道成寺など幽玄の世界を表現した曲を発表しています。そして世阿弥作品の題材となっている多くは、源氏物語や伊勢物語であることから、中井智弥と斎宮とは切っても切れない関係が築かれました。

 今回タイトルに取り上げられている倭姫の夢は、昨年倭姫宮(やまとひめのみや)が、ご鎮座から100周年を迎えた節目として中井に委嘱された楽曲であります。  演奏には和琴、あるいは倭琴ともいわれる、古来の琴を用いた琴線の響きを堪能していただけることでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です